Macintosh LCIII Retr0bright

Macintosh LCIIIの復活への道のりその1筐体の黄ばみをRetr0brightで解消していきます。レシピは他の方のブログなどを参照しました。

 

対象物

私のLC IIIは本体ケースの上側が特に黄ばんでいました。下側はそもそも目立ちにくいのと黄変がそこまで進行していなかったため、上側のみを対象にします。

 

下準備

Retr0Brightを行う前に中性洗剤を水に溶いたもので埃や付着物を除去します。取りにくいものはアルコールで拭き取る事ができました。

 

必要なもの

- 透明ボックス

- ワイドハイターEX

- 水

 

 

オプショナル:

アルミ箔付きクッションマット(下から太陽光を反射させる為)

 

Retr0brightのセットアップ

 

透明ボックスは丁度タンスに余っていた引き出し型に。引き出した際に中の水が揺れて位置がズレることがあったので、蓋付きのものでも良いと思います。

 

- 水、ワイドハイターEXの投入

他の方が推奨するレシピでは水に対してワイドハイター6%程度との事でしたが、私は完全に目分量でいきます。目分量とはいっても海外のYoutuberの様に適当にドバドバと注いだ訳ではありません。プラボックスに入っている水の目分量に対してワイドハイターEXのキャップで何杯で大体6%か見当をつけました。几帳面な方は1ℓカップでボックスに水を継ぎ足していき、ボックス側にその水位をマジックで目盛りにしておくと便利かと思います。

 

失敗しない為に

注意1 - 必ず水で薄める

以前、黄ばんだキーボードのRetr0brightを試みた際、ワイドハイターEXを薄めずにそのまま使用した結果、表面がボロボロに劣化しキートップのラベルがハゲてしまったことがあります。原液につけると過酸化水素以外の漂白成分によって色味も青白く変色してしまうため、必ず適用の水で薄めて使用しましょう。少し薄い位から始めて、効果が小さい場合はワイドハイターを少し足すということもできます。

 

注意2 - 対象物を確実に用液に漬ける

プラスチックの下に空気が溜まっていると浮き上がって水面から出てしまうことがある様です。用液に浸っていない部分はRetr0brightが進行せず、色ムラの原因になります。

 

注意3 - 紫外線の取り込み

白くしたい表面を上に向ける。用液と紫外線、水温の3つの要素で黄ばみを取るため、白くしたい表面を上に向けてセットします。また、水面や対象物の表面に気泡があるとムラになる場合があるためできるだけ取り去ります。Retr0bright用液を注いだら30分タイマーをセットし、30分ごとにプラボックスの角度を変えます。こうすることで、側面にもムラなく紫外線を当てることができます。また、複数のパーツを処理する場合、互いに重なり合わないように注意します。また隣り合う面は受光量が少なくなる場合がある為、十分に離すか定期的にローテーションしてくまなく日光が当たる様に工夫します。

 

注意4 - 熱変形に注意

特に夏場は気温が高く、日差しによって用液の温度が上がりがちです。素材によっては熱で変形する恐れがある為、用液の量を増やして温度を必要以上に上げない様に配慮が必要です。以前、溶液を鍋に入れて火で加熱したところ、沸騰前に変形してしまい文字通りプラスチックゴミにしてしまった事があります。ご注意ください。

 

注意5 - サビに用心

Macintoshの筐体は裏側に金属のシールドが貼ってあります。海外のYoutuberはこれを取り外さずに用液につけていました。私もその通りにしたところ、1時間半つけたところで用液が茶色っぽく濁っていることに気づき、金属のシールドの一部が錆び始めている事に気づきました。シールドはプラスチックのピンで取り付けられており、ピンの先を溶かすことで固定されています。そのうち、このピンを外してプラスチック部品だけをRetr0brightしてみたいと思います。

 

注意5 - 深追いしすぎない

Retr0brightは実際のところかなり効果を発揮します。しかし、プラスチックを製造時の状態に戻すことはできません。長い時間をかけて黄ばみを取ることはできますが、プラスチックを劣化させてしまったり、効果にムラが生じてしまうなどのリスクと引き換えになります。あくまでも醜さを取り払う程度の心積もりで深追いしすぎないことも心に留めておきましょう。

 

結果

LC III Retr0bright後

裏面の金属シールドを外さずに処理したところ錆が発生してしまった為、約1時間半の処理となってしまいましたが、一度でほぼ完璧な状態にすることができました。もともと黄変にむらがあったためよく見ると若干ムラがありますが、醜さは完全に無くなりました。

 

問題の裏面はというとシールドとプラスチック筐体の接合部などに錆が発生してしまいました。今後接合部のプラスチックを取り外してRetr0brightに再挑戦するかもしれませんが、今の所結果に満足しています。サビの部分はアルコールで掃除して暫く置いていますが、あまり進行していない様なので暫く様子を見ようと思います。

LC III 裏面に発生したサビ

 

後記

Retr0brightを一度行ったプラスチックは暗所黄変しやすくなると耳にしました。私は相棒を実用的に使っていこうと考えているため、仕舞い込むことは当分無いと考えていますが再度収納する場合は何らかの対策をした方が良さそうです。何となく、Retr0brightを行うことでプラスチックの表面が周囲の化学物質を取り込みやすくなっているのではないかと思っています。効果は不明ですが、LC IIIの表面にワセリンをベタつかない程度に薄く塗っておきました。今後観察してみようと思います。